2022年11月にChatGPTが一般公開されると瞬く間にユーザー数は100万人を突破し、それに伴いAIを使用して文章を書く人も急激に増えました。
仕事や創作を補助するツールとして使う分にはとても便利ですが、「学生のレポート課題」などのようにAIを使用して欲しくない場面も多々あるでしょう。
ネットを見ているとChatGPTを使用してレポートを書く学生が増えて、頭を抱える教師の方も多く見受けられます。
そこで今回は「AIが書いた文章かどうかを見分けることはできるのか?」というテーマでお話ししていきます。
AIが書いたテキストを判別することはできるのか?
結論から言うと100%判別することは不可能だと言っていいでしょう。
AIが生成する文章は「語尾や文体に癖」があったり、「とても硬い文章」になったり、「文章の流れが不自然」になることがあります。
実はそのようなAIの”癖”を判別し、「AIがかいたテキストかどうかを見分けるAI」をChatGPTの開発元であるOpenAIが公開しています。
AI Text Classifierというサービスで、以下のリンク先の「Try the classifier」と書いてあるボタンを押すと実際に使用することができます。
https://openai.com/blog/new-ai-classifier-for-indicating-ai-written-text
AIが書いたテキストを判別するAI!その実力は!?
「それじゃあ、AI Text Classifierを使えばAIが書いたテキストかどうか見分けられるんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、公式サイトの情報によると
- AIが書いたテキストの26%「AIで書かれた可能性が高い」と正しく判別
- 9%の確率で人間が書いたテキストを「AIが書いた」と誤って認識
とのことなので、実用で使用するにはあまりにも精度が低いのが現状です。
ChatGPTの開発元が作成したツールですらこの程度の精度なので、それだけAIが書いた文章かどうかを判別することは難しいということでしょう。
しかも学生の例で言うと、ChatGPTでレポートを生成した後、何も手を加えずに提出するかどうかは分かりません。
ChatGPTにレポートを出力した後、さっと内容をチェックして不自然な部分だけ自然な日本語になるよう書き換えていたら読む方は違和感すらない可能性があります。
もし違和感のある文章だったとしても、それが学生の日本語力不足によるものなのかChatGPTで生成したからなのかは学生に問い詰めない限りわかりません(学生がシラを切る可能性も大いにあるでしょう)
そのようなこともあり、最初に述べたように「AI生成したテキストを100%判別することは不可能」と言っていいでしょう。
レポート課題を出す講師は今後どうしたらいい?
それでは、講師がレポート課題を出す際はどうしたらいいのでしょうか?
現段階で一番効果的なのは参考文献を指定することです。(もちろん、参考文献の指定自体ができないようなレポートもあるでしょうが…)
今のところChatGPTはネット上に文章が上がっていない文献の内容を出力したり、引用することはできません。
ですので、レポート課題を出す際に、参考文献を明記するよう指定して、その参考文献とレポートの内容の整合性が取れているかに着目することでChatGPTを使用しているかどうかの判別材料の一つとすることができるでしょう。
ただ、このような方法も時代の流れに伴い意味をなさなくなる気はします。
誰もがChatGPTのようなAIを使用することが当たり前となったら、ChatGPTの使用を禁止するのはむしろ教育の邪魔にしかならないので、いかにAIを上手く使用するかを教えることが大切になってきます。
つまり、ChatGPTで生成したテキストの検証(ファクトチェック)の方が大切になってくると言うことです。
ChatGPTは決して真実を出力している訳ではなく、これまでに学習してきたテキスト情報の中から統計学的に次にくる文章を予測して出力しているに過ぎません。
ですので、ファクトチェックにより正確性さえちゃんと担保できれば、レポートなどにも積極的にChatGPTを使用していくべきと言う考え方が今後スタンダードになるでしょう。
時代によって求められる技能は変化しているので、その流れに合ったスキルを身につけて使いこなせるようになるのが何より大切です。
今はその求められるスキルの一つが「ChatGPTなどのAIを使いこなすスキル」と言えるでしょう。
まとめ
- ChatGPTで生成した文章を見破るのはほぼ不可能
- ChatGPTは真実を生成するとは限らない
- 検証(ファクトチェック)をちゃんと行えば、レポート生成においてもChatGPTは積極的に使用すべきツールと言える